京都の町家(長屋)に実験的に住んで、約2年半。
先人の知恵を取り入れた、ちょっと不便だけど出会いな暮らしとは?
築70年を超える京都の町家に住んでいる高橋さん。「マンション生活が長かったので、最初の冬は想像以上に寒く感じましたね。また、2階建てなので、急な階段の上り下りも慣れるまでは不便。当初はそんな環境の変化に戸惑いました」
畳、木の建具が同居する和の空間に快適に住まうために、まずは見直すことに。「これまでの家具が部屋にまったく似合わなくなったので、買い替えを決意。築年数と同じくらいの年代物の照明や調度品などを見つけるために、京都や岡山の児島などのアンティーク店を巡る日々。サイズや予算に合うものを探すのは思っていた以上にたいへん! 気に入ったものだけを買うようにしました」
物が変わることで、自然と暮らし方も変わってきたという。「掃除機なども手放し、箒や土鍋などのシンプルな道具に変更。最新情報に振り回されがちな家電製品とは違って多少の不便さは伴うものの、使うたびに味わいを増すので愛着が湧いてくるんです。光熱費も浮くので、おすすめです」
最初は3年と決めて住んだものの、「延長するかも」と言うほど、今の暮らしがお気に入り。「家賃も大家さんに直接手渡しだったり、町家暮らしの友人とまめに情報交換したりして、マンション住まいのときよりも人とのコミュニケーションが活発になったのも一つの魅力。また、昔ながらの道具と寄り添いながら生活することで、生きる知恵や生活力が上がったような気がします。もう、どこででも生きていけそうです(笑)」